今日の新着記事ウクライナ避難民が連れてくる犬やネコなどについて、農林水産省は18日、本来は国の施設で過ごすべき検疫期間中も、避難先で飼い主と過ごせる仕組みとすると発表した。検疫は狂犬病予防を目的に定められ、期間はウイルス潜伏期間の最長180日間に及ぶが、戦時下という事情を考慮し、条件を満たせば施設外で世話を認める。2022年04月18日配信 朝日新聞社
サラリーマン
狂犬病はどんな感染症ですか？
狂犬病ウイルスによるウイルス感染症です。
前崎 先生
狂犬病は、狂犬病ウイルスをもっているイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりして起きるウイルス感染症です。
それ以外の野生動物ではアライグマ、スカンク、キツネなどが狂犬病の原因となります。
世界保健機関（WHO）によると、全世界で毎年3万5,000〜5万人が狂犬病によって死亡しているとされています。
サラリーマン
日本でも狂犬病の患者さんはいますか。？
日本にいるイヌから感染することはありません。
前崎 先生
日本での狂犬病は1957 年以降発生していませんが、外国でイヌに咬まれて帰国して発症する患者さんがいます。
日本以外ではオーストラリア、イギリス、台湾、ハワイなどでは狂犬病は根絶したとされています。
しかし、途上国も含めてそれ以外の国々では狂犬病の患者さんが発生しています。
サラリーマン
狂犬病は怖い病気ですか？
なんの処置もしないと100%死亡する病気です。
前崎 先生
狂犬病は一度発症すれば、致死 率はほぼ100%の怖い病気です。
イヌ、ネコおよび野生動物にかまれたり、ひっかかれたりした場合、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流します。
そのあとすぐに病院を受診して、狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与します。
ここがポイント日本のイヌから感染する狂犬病の患者さんはいませんが、世界では年間数万人の人が狂犬病で死亡しています。いったん発症すると100%死亡する病気で、ワクチンやガンマグロブリンなどの処置が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症