今日の新着記事スイス製薬大手ロシュ(Roche)は20日、同社が開発した軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ロナプリーブ(Ronapreve)」について、日本が世界で初めて正式に承認したと発表した。ロシュは、厚生労働省がロナプリーブを承認し、承認されたのは世界で日本が「初めて」だと発表した。2021年07月21日AFPBB News
お母さん
ロナリーブはどんなお薬ですか?
新型コロナウイルスに対する抗体を薬にしたものです。
前崎 先生
ロナプリーブは新型コロナウイルスに対する抗体を使った薬です。
遺伝子組み換えによって人工的に作られたカシリミマブとイムデビマブと呼ばれる2種類の抗体です。
この抗体を注射することによって、新型コロナウイルスの増殖を抑える働きをします。
お母さん
どんな患者さんロナプリーブを使うのですか?
発症してあまり時間が経っていない軽症の患者さんに使います。
前崎 先生
ロナプリーブは発症して8日以内の患者さんに使います。
さらに、酸素投与などが必要ない軽症の患者さんに投与します。
このような患者さんに投与することによって、重症化して入院したり、酸素投与が必要な肺炎になることを防ぐ効果があります。
お母さん
ロナプリーブには副作用はありませんか?
アナフィラキシーなどが稀にありますが、比較的安全なお薬です。
前崎 先生
副作用としてはアナフィラキシーなどが稀に認められますが、比較的安全なお薬です。
その他には、点滴静注の時に痛みがでたり、点滴したところが赤くなったりすることがあります。
また、まだ確実ではありませんが、ロナプリーブと投与してから90日間はコロナウイルスのワクチン接種は控えるように言われています。
ここがポイントロナプリーブは新型コロナウイルスに対する2種類の人工的に作られて抗体を使った薬剤です。発症早期の軽症の患者さんに投与することによって重症化することを防ぐことができます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症