梅雨の季節はジメジメ
「水虫」の原因菌は白癬
感染症を起こす原因菌にはたくさんの生き物があります。
その中の一つにカビがあります。カビは医学の世界では真菌と呼ばれています。
そのカビが起こす病気のうちで、今日は最も身近な「水虫」のお話しです。
「水虫」は正式な病気の名前を「白癬」と呼びます。
そのため、「水虫」を起こす菌は「白癬菌」と呼ばれる仲間です。
ある皮膚科の先生が世界中の足の「白癬」の患者さんを調査したところ、患者さんが一番多かった国は一体どこでしょうか?
カビは何となくジメジメしたところが好きなので、東南アジアの国など雨が多くて高温多湿な国に多いイメージがありますが、答えはロシアなのです。
理由は一日中、靴を履いているからです。東南アジアの国の人はサンダルで、ロシアの国の人はしっかりした革靴を履いているから、足の「白癬」が多くなるとのことでした。
それから、スポーツ選手では調べてみると、なんとゴルフをする人に足の「白癬」は最も多かったとのことです。
理由は、ゴルフの一日中靴を履いていますし、雨が降っても外でプレーします。
それと、「白癬」になりやすい人には糖尿病の人が多いことがわかっています。
お腹が出た、糖尿病のおじさんが、雨の中、ゴルフをすることは最も「水虫」になりやすいシチュエーションですかね。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症