今日の新着記事日本感染症学会など22団体でつくる「予防接種推進専門協議会」は7日までに、今夏の東京五輪などの出場選手やボランティア、警備、医療関係者ら参加者全員に、はしか、風疹の予防接種を徹底するよう求める要望書を東京都と大会組織委員会に提出した。空気感染で広がるはしか、国内で免疫を持っていない人が多い風疹への注意が必要と判断した。2021年04月08日配信 共同通信社
サラリーマン
なぜ、はしかに注意するのですか?
世界ではまだはしかが流行している国があります。
前崎 先生
日本では今では少なくなったはしかの患者数ですが、世界ではまだ流行している国があります。
世界の国の中では例えばブラジルなどは日本の20倍のはしかの患者が発生して、1年間で十数人の死者が報告されています。
さらに、はしかは空気感染するので、一度にたくさんの人が感染する危険性があります。
サラリーマン
では、なぜ風疹に注意が必要ですか?
日本ではある時期に男性に予防接種が行われていなかったからです。
前崎 先生
風疹もはしかと同じウイルス感染症ですが、空気感染はしません。
ただし、日本ではある時期に予防接種の安全性に懸念がもたれて、男性に定期接種を止めて時期がありました。
この時期の男性は抗体を持っていないため、風疹に罹りやすく、さらにその奥さんが妊娠中に風疹に罹ると、生まれてくる赤ちゃんに先天性の病気がでてしまいます。
サラリーマン
では、どう対処すればいいのですか?
抗体を検査して、抗体がないときは予防接種をうけてください。
前崎 先生
まず、自分がはしかや風疹の抗体を持っているかどうかの血液検査をしてください。
もし、抗体がない場合はワクチンを接種して、抗体を作りましょう。
ただし、外国からの訪日者は選手やその関係者に限れれ、一般の観客は来日しないため、当初よりその危険性はかなり低くなりました。
ここがポイントオリンピックやパラリンピックの開催に際して、はしかや風疹などの感染症に注意が必要です。抗体をもっていない人は事前にワクチンを接種することが勧められます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症