せきやたんといった症状によって、病院を受診する人は多いだろう。日本呼吸器学会は4月、せきの診療指針に、たんの内容を大幅に盛り込んだ改訂版を作成した。たんの状態も診断や治療に積極的に生かす狙いだ。2019年7月1日 (月)配信読売新聞
せきやたんはどうしてでるのですか?
気道と呼ばれる空気の通り道に病気があるときにでます。
せきやたんは気道と呼ばれる空気の通り道に病気があるときにでます。たんはその気道にできた老廃物と一緒に菌などを体の外に出すためにできます。
そのたんをせきの力によって体の外に出して、気道をきれいにしておきます。
せきやたんがでるときはどんな感染症があるのですか?
多くの場合気道の感染症としての上気道炎や肺炎です。
せきやたんが出る最も多い感染症は上気道炎や肺炎です。
上気道炎では、せきはおおくでますが、たんはそれほどおおくありません。
肺炎では、せきと一緒にたんがですることが多くあります。
たんに色がつくことがありますが、どうしてですか?
感染した菌によって色がつくことがあります。
肺炎などでたんが出るときは、たんの中に白血球と呼ばれる血液の成分がたくさん混じっています。
たんの中に混じっている白血球が多くなれば、ねばねばとしたたんになります。
たんに色がつくのは、たんの中にいる菌が色をだすことがあります。
緑膿菌という菌がもしいると、名前のように緑色のたんがでることがあります。
せきが長く続くときはどんな感染症に注意が必要ですか?
1ケ月以上続くときは肺結核に注意してください。
せきは普通の風邪に罹ったときでも完全になくなるまでは、2~3週間は続くこともあります。
1ケ月以上もせきが続く時には肺結核の可能性がありますので、病院を受診してレントゲンなどの検査を受けてください。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症