インフルエンザが流行の時期になりました。正しい知識で対応しましょう
新型インフルエンザはどうやってできるのですか?
新型インフルエンザと聞くとなんだか怖いですね。
世界中で、たくさんの人がインフルエンザに罹って、たくさんの人が死んでしまうようなイメージがあります。
では、どうして新型インフルエンザが生まれるのか、できるだけわかりやすくお話します。
そのキーワードは「鳥」なのです。
皆さんも、毎年予防接種をしているのに、インフルエンザになってしまったり、去年インフルエンザに罹ったのに今年もまた罹ってしまったなんてことがあると思います。
例えば、同じウイルスの感染症のはしか(麻しん)は一生に1回感染したら、二度と感染することはありません。
ところが、インフルエンザは1回感染しても、また感染するのです。
その理由はインフルエンザは顔にあります。
人間は、一度インフルエンザに罹るとその顔を覚えていて、またその顔のインフルエンザウイルスが体の中に入ってきたら、それを退治しようとします。
これが、いわゆる免疫です。
ところが、インフルエンザは毎年、少しづつ顔の形を変化させ、去年より目を少し大きくしたり、鼻を少し高くしたりします。
するとその顔を見た人間は、インフルエンザみたいだけど、やっぱり違うかなと思い込んでしまいます。
すると免疫が働かなくなり、インフルエンザに罹ってしますので。
ところが、このインフルエンザが鳥の顔になってしまうと、すべての人間はインフルエンザとは思わなくなります。
すると、たくさんの人がインフルエンザに感染してしまうことになるのです。
これが、新型インフルエンザが生まれる仕組みです。(少し大雑把ですけど)
さて、最終回はこのインフルエンザに立ち向かぬ人間の知恵の結晶ともいえるお薬とワクチンのお話です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症