患者と調理従事者から食中毒菌カンピロバクターを検出したため、旅館が提供した食事が原因の食中毒と断定し、旅館の調理部門に29日から3日間の営業停止を命じた。入院者はおらず全員快方に向かっている。2019年08月30日配信共同通信社
カンピロバクターはどんな細菌ですか?
腸内細菌として動物の腸内にいます。
カンピロバクターは腸内細菌として動物の腸の中にいます。
特殊な染色液を使って、顕微鏡でみると赤くて、らせん状に見えます。
食中毒の原因としては一番多い菌です。
カンピロバクターはどのようにして感染しますか?
多くは菌で汚染された食べ物を食べて感染します。
カンピロバクターは菌で汚染された食べ物を食べて、口から感染します。
多くは肉類を食べて感染します。
肉としては、鶏、牛、羊などの肉や、鶏や牛の肝臓(レバー)を十分に加熱しないで食べると感染します。
また、豚肉から感染するカンピロバクターもあります。
カンピロバクターに感染するとどんな症状が出ますか?
下痢や便に血が混じるなどお腹の症状がでます。
カンピロバクターに感染すると、多くは1週間以内にお腹の症状が出ます。
熱がでて、最初は下痢が起こります。
その後で、便に血が混じってきます。
健康な人であれば、症状は自然に治ってきます。解熱薬や整腸剤などで症状を和らげるお薬を飲みます。
何か合併症はありませんか?
ギラン・バレー症候群という神経の合併症が起こることがあります。
カンピロバクターに感染すると稀にギラン・バレー症候群という神経の合併症が起こります。
下痢がでてから1~3週間後に起こることが多いです。
手足のしびれなど神経の障害が出てきます。
ここがポイント
カンピロバクターは食中毒の原因として、一番多い菌です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症