今日の新着記事国立感染症研究所は、新型コロナウイルス変異株の警戒度を示す分類を、従来の2段階から3段階に増やした。流行リスクの早期把握が目的で、新たに3段階目として「監視下の変異株(VUM)」を設け、インド由来のデルタ株から派生し英国などで広がる「AY.4.2(ニューデルタプラス)」を指定した。2021年11月4日配信読売新聞
お母さん
新型コロナウイルスの変異株とはどんなものですか?
新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパクが変化したものです。
前崎 先生
新型コロナウイルスある一定の確率で遺伝子変異を繰り返しています。
多くはRNA遺伝子の一部が変化して、それによってウイルス表面のスパイクタンパクの構造が変化します。
このようにスパイクタンパクが変化したウイルスを変異株と呼んでいます。
お母さん
これまでは変異株はどんな分類がありましたか?
VOCとVOIに分類されていました。
前崎 先生
WHOは公衆衛生上の注目すべき変異株(VOI)と懸念すべき変異株(VOC)の2つに分類していました。
日本で流行したデルタ株はVOCに分類されていました。
その分類に新しく監視下の変異株(VUM)が追加されました。
お母さん
VUMのウイルスは危険なものですか?
3つの分類の中では最も危険性が低い変異株です。
前崎 先生
VUMに分類される変異ウイルスは感染力や病原性からは最も危険性が低い変異株です。
しかし、感染力や病原性が現時点では十分にわからない変異株も含まれます。
そのため、感染力や病原性の変化を厳密に監視して対応することが必要な変異株と考えられます。
ここがポイント新型コロナウイルスの変異株の分類に新たに監視下の変異株(VUM)が追加されました。感染力や病原性の変化を厳密に監視して対応することが必要な変異株と考えられます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症