アストラゼネカ、コロナ治療薬を承認申請 厚労省に

今日の新着記事英アストラゼネカ日本法人は9日、開発中の新型コロナ治療薬について厚生労働省に承認を申請したと発表した。ワクチン接種しても十分な免疫反応が得られないことが想定される免疫不全の人や、軽症から中等症の患者向けの治療薬として申請した。海外で承認されている医薬品を対象に審査を迅速化する特例承認を目指している。2022年6月9日配信日本経済新聞

今回は新型コロナウイルス感染症のもう一つの治療薬である抗体療法について、3つ目の新たな治療薬が使用可能となりかもしれません。

抗体療法は抗ウイルス薬と同じく、軽症から中等症の患者さんが重症となることを防ぐ効果が期待されています。

しかし、抗体が認識する抗原であるスパイクタンパクが変異株では大きく変化するため、変異株では効果が低くなることが懸念されています

ここでは、これまでに患者さんに使用することできる2つの抗体治療薬の解説と、新しい抗体治療薬について現時点で解っている効果を解説します。

ロナプリーブ

ロナプリーブは2つのモノクローナル抗体であるカシリビマブ/イムデビマブからできた抗体治療薬です。

新型コロナウイルスのスパイクタンパクに対する中和抗体として抗ウイルス作用を示します。

発症してからあまり時間が経っていない軽症から中等症の患者さんに投与すると重症化を防ぐ効果があります。

また、感染している家族と同居している家族に投与した時、濃厚接触者である家族での発症を防ぐ効果があることも判っています。

使い方は2つの抗体がそれぞれ600㎎入っている点滴を1回投与します。

しかし、残念ながら現在流行しているオミクロン株ではその効果が低くなることが懸念されています。

今日の新着記事 厚生労働省は24日、新型コロナウイルスの抗体カクテル療法で使われている点滴薬「ロナプリーブ」について、オミクロン株に感染、ま【続く】

ゼビュディ

この薬はSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染した患者から得られた抗体を基にしたモノクローナル抗体であるソトロビマブによる中和抗体薬です。

ロナプリーブと異なり、スパイクタンパク以外の部分に対する抗体となります。

ロナプリーブと同じように発症してからあまり時間が経っていない軽症から中等症の患者さんに投与すると重症化を防ぐ効果があります。

オミクロン株にもロナプリーブ以上の効果があるとされています。

しかし、これも残念なことにオミクロン株の亜種であるBA.2系統の変異株では効果が減弱することが懸念されています。

使い方は本剤500㎎を1回点滴静注します。

今日の新着記事 厚労省は、ソトロビマブについて、来週月曜に専門部会を開き、承認するかどうかを審議すると発表しました。承認されれば、中外製薬の【続く】

AZD7442

この薬剤は2つのモノクローナル抗体であるチキサゲビマブとシルガビマブからできた薬剤です。

この薬剤を投与した人の77%で感染を防ぐことができ、またその効果が6ケ月以上つづくことが判りました。

さらに軽症から中等症の患者さんい投与すると50%に人で重症化を防ぐことができて、88%の死亡率を減らすことが証明されました。

海外ではすでに新型コロナウイルスの患者さんに使用されていますが、近い将来日本でも使用可能になると思われます。

ここがポイント新型コロナウイルス感染症の治療薬としての中和抗体は軽症から中等症の患者さんが重症化することを防ぐ効果があります。しかし、変異株ではその効果が減弱するため注意が必要です。

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