今日の新着記事長崎大病院(長崎市)は10日、院内で職員と患者計35人がインフルエンザA型に集団感染したと発表した。重症者はおらず、全員が快方に向かっているという。病院によると、4日に放射線部の職員1人が発症。10日夕までに放射線部職員24人、患者11人の発症が確認された。発症した患者のうち9人が外来、2人が入院中。4日に放射線部でCT検査を受けた患者に集中していたことから、検査時の感染が濃厚とみている。2019年10月11日配信毎日新聞社
サラリーマン
インフルエンザはどうして集団発生するのですか?
狭い空間に多くの人がいると、空気を介して感染することがあるからです。
前崎 先生
インフルエンザはインフルエンザウイルスによるウイルス感染症です。
多くの場合は咳や、くしゃみなどの中ににるインフルエンザウイルスが、鼻や喉から入ってきて感染します。
時に、空気中に浮遊するインフルエンザウイルスを吸い込むことによっても感染します。
そのような時には、少し離れていても感染することがあります。
サラリーマン
どうして病院でインフルエンザが集団発生するのですか?
病院にはインフルエンザの患者さんがいるからです。
前崎 先生
病院にはインフルエンザが流行する季節になると、インフルエンザウイルスに感染した患者さんがたくさんやってきます。
そのような患者さんのインフルエンザウイルスがほかの人に感染します。
特に、インフルエンザの患者さんと接触する機会の多い、病院で働く人には感染しやすくなります。
逆に、インフルエンザに感染した病院の中で働く人から、同僚や病院に来た患者さんに感染することもあります。
サラリーマン
予防接種で防ぐことはできないのですか?
予防接種は有効ですが、効果が表れるまで2~3週間かかります。
前崎 先生
予防接種はインフルエンザに罹らないようにするには有効な手段です。
でも、予防接種をしてもすぐには効果がでません。
インフルエンザを予防できるには、注射をしてはから2~3週間の時間が必要です。
多くの病院では、病院で働く人には毎年、インフルエンザの予防接種をしていますが、多くの場合は10月下旬から11月中旬に行います。
インフルエンザが早い時期に流行すると予防接種が間の合わないことになります。
ここがポイントインフルエンザは流行の時期になると病院で働く人から感染する危険があります。病院から帰ったらうがい、手洗いを忘れずにしましょう。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症