今日の新着記事和歌山県は16日、県内で新型コロナウイルス感染が確認された男女29人に継続的に行った抗体検査のまとめを発表した。10カ月以上追跡している3人を含め、肺炎を起こして一定以上、症状が重くなった15人は、いずれも抗体を保持していた。2021年02月17日共同通信社
お母さん
新型コロナウイルス感染症の抗体はどのようにしてできるのですか?
感染した後に免疫反応として抗体ができます。
前崎 先生
新型コロナウイルスに感染するとリンパ球と呼ばれる成分から抗体が作られます。
人の免疫反応として、外から人の体に侵入した病原体に対して抗体を作ることになります。
抗体が作られることによって、同じ病原体が侵入した時に防御することができるようになります。
お母さん
抗体にはどんな種類がありますか?
IgMとIgGと呼ばれる2種類の抗体があります。
前崎 先生
抗体にはIgMとIgGと呼ばれる2種類の抗体があります。
一般的には感染して初めのうちはIgMが作られて、しばらくしてからIgGが作られるようになります。
その後、IgGは長い時間作られて新型コロナウイルスに対する防御能を持つことになります。
ただし、新型コロナウイルスに対する抗体は2週間以上の時間が経たないと作られないとされています。
お母さん
抗体ができれば新型コロナウイルスに感染することはなくなりますか?
ある一定の期間は感染を防ぐことができます。
前崎 先生
新型コロナウイルスに対する抗体は、一生その感染を防ぐことはできません。
しかし、これまでの研究からはある一定の期間は感染を防ぐことができると考えられています。
新型コロナウイルスが出現してまだ1年程度ですから、正確にいつまで感染を防ぐことができるか不明の点もありますが、
少なくとも数か月あるいは半年以上は感染を防ぐ抗体が人の体の中に存在していると考えられています。
ここがポイント新型コロナウイルスに対する抗体は新たな感染を防ぐ働きをします。抗体はある一定の期間は人の体の中に存在するとされて、数か月から半年以上は感染を防ぐ働きをしていると考えられています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症