【4月24日 AFP】マラウイで23日、世界で初めて使用が承認されたマラリアワクチンの接種が始まった。
この臨床試験がうまくゆけば、人類にとってはとても素晴らしいことです。
Q. マラリアはどんな病気ですか?
A. マラリア原虫による感染症です。
プラスモディウム属原虫(マラリア原虫)による感染症です。4種類の主なマラリア原虫(三日熱、四日熱、卵形、熱帯熱マラリア)があります。
Q. マラリアは人から人に感染しますか?
A. 人から人には感染しません。
人への感染はマラリア原虫を持つ、蚊が人を刺したときに、蚊の唾液腺中のマラリア原虫のスポロゾイドが人の血液中に注入されることによって感染します。そのため、人から人への感染はありません。
Q. 世界中ではどれくらいの人が感染しているのですか?
A. 世界中で感染者は約2億人、死亡者は年間約60万人以上と推定されています。
マラリアは熱帯から亜熱帯を中心に100ケ国以上に患者が認められています。特に、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国で患者数、死亡者数ともに最も多く認めています。また、5歳以下の子供の死亡者数が85%以上を占めます。
Q. 日本でも感染することはありますか?
A. 国内で感染することはありません。日本の患者はすべて外国で感染した方です。
日本での感染はありませんが、感染法で4類感染症に指定されてしるため、わが国でも年間数十例の患者が発生しています。すべて輸入感染例で、渡航先の外国で感染した方です。
Q. 外国に行くときはマラリアの予防をしたほうがいいでしょうか?
A. 渡航先の流行状況を考えて、必要であれば専門医とよく相談してください。
予防投薬によってあらかじめお薬を飲むことによって、ある程度は感染を防ぐことはできますが、重篤な副作用が出る場合もありますので、専門医とよく相談してください。また、蚊に刺されないようにすることが大切で、虫よけスプレーや長袖、長ズボンなど対策が現地では必要になります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症