滋賀県は4日、伝染性紅斑(通称・リンゴ病)が流行しているとして、県内全域に警報を発令した。2015年以来、4年ぶり。県薬務感染症対策課によると、6月24~30日の1週間で、定点あたり患者数が2人を超えるなど県の基準を超えた。2019年7月6日 (土)配信毎日新聞社
伝染性紅斑はなんの感染症ですか?
ヒトパルボウイルスB19というウイルスの感染症です。
伝染性紅斑は、正式にはエリスロウイルスB19と呼ばれるウイルスの感染症ですが、一般的にはヒトパルボウイルスB19と今でも呼ばれています。
このウイルスによる代表的な病気が伝染性紅斑で「リンゴ病」と呼ばれています。
伝染性紅斑はどんな症状がでますか?
風邪のような症状がでた後に、両頬が赤くなります。
微熱、鼻水などの風邪のような症状の後に、両方のほっぺが赤くなってきます。その後、赤い発疹は、手足や体全体に広がっていきます。
手足にできる赤い発疹は網の目状になることもあります。
そして、10日ほどするとその発疹は全く跡形もなく消えてしまいます。
伝染性紅斑はどうやって診断できますか?
血液の検査をして抗体ができているかどうかを調べます。
伝染性紅斑は皆さんが住んでいる地域や学校などで、流行していて特徴的な症状があれば診断できます。
詳しくは血液検査をして、ウイルスに対して抗体ができているかどうかを検査します。
抗体は感染してから10~14日しないとできないので、少し時間が経ってから検査します。
伝染性紅斑は自然に治りますか?
普通は自然に治ってしまいます。
伝染性紅斑は特別な治療をしなくても自然に治ってしまいますが、血液の病気で溶血性貧血と呼ばれる病気がある人は注意が必要です。
また、妊婦さんが感染するすると生まれてくる子供に病気が起こったり、流産したりしますから、感染しないように注意が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症