福岡市は10日、同市博多区の保育施設で0~5歳の園児11人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち1人からノロウイルスが検出されたと発表した。重症者はおらず全員快方に向かっている。2019年07月10日(水)配信共同通信社
ノロウイルスはどのようにして感染しますか?
ウイルスのいる便を触った手から食べ物を介して口から入ってきます。
実際には便の中にいるノロウイルスがトイレにドアノブやトイレットペーパーの蓋などの環境にくっ付いて、それを触った人の手にノロウイルスがくっ付いて、その手で何かを食べたときに食べ物と一緒に口から体の中に入ってきます。
ノロウイルスに感染するとどんな症状がでますか?
突然吐き気がして、その後で下痢をしたり、熱がでます。
感染すると2日以内に突然、吐き気が出て、嘔吐したりします。
その後で下痢がでますが、水みたいな下痢で、血が混じることはありません。
同時に熱もでますが、インフルエンザのように高い熱ではなくて、38℃以下の熱が多いです。
何か特別な治療がありますか?
特別な治療はありません。健康な人であれば3日以内で治ります。
ノロウイルスの感染症では特別な治療はありません。
健康な人であれば、2~3日で治ってしまいます。
小さな子供や高齢者では脱水にならないように、点滴や経口補給水などで水分を補います。
死亡することはほとんどありません。
どうして幼稚園などで集団感染するのですか?
感染力がとても強くて、消毒も難しいからです。
感染力がとても強くて、たった10個のノロウイルスでも感染します。
消毒も次亜塩素酸と呼ばれる特別の薬が必要となります。
普通に使っているアルコールの消毒だけでは不十分なこともあります。
ノロウイルスに罹らないようにするためには、食事の前後に石鹸を使ってしっかり手を洗ってください。
ノロウイルスを防ぐには食事の前後に石鹸で手洗い
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症