ノロウイルスに感染すると
ウイルス性下痢症または、ウイルス性胃腸炎と呼ばれ、嘔吐や下痢を主な症状とします。
原因となるウイルスには、ロタウイルス、ノロウイルス、サポウイルス、アデノウイルス、アストロウイルスなどがあります。
ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間で、急激に始まる嘔吐に続いて下痢と発熱が起こります。
下痢は水みたいな下痢で、血が混じることはありません。発熱も38℃未満のことが多く、高い熱は出ません。
健康な成人では症状は1~3日間は続きますが、重症となることはまずありません。
ノロウイルスはどのようにして感染するか
ノロウイルスを含む糞便に触った手から口の中にウイルスが入って感染します。
実際にはノロウイルスがトイレのドアノブや、タオルなどを汚染し、それを触ることによって、人の手にウイルスがくっつき、その手で食べのもなどを食べることによって、口から体の中に入ってきます。
ノロウイルスは10個程度の少ないウイルスでも感染します。
また、吐物や環境の消毒には次亜塩素酸という特別な消毒液が必要となります。
このような消毒液を使っても完全にウイルスをなくしてしますことは大変難しいので、ノロウイルスの感染を防ぐためには、お手洗いに行った後や食事の前には石鹸を使って十分な手洗いをすることが大切です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症