蚊に刺されて痒いだけならいいのですが。
外国に行くときは、マラリアの予防投与も考えて
実は先日ある先生からこんな話を聞きました。
ある、高齢のご夫婦が旅行でアフリカに行かれました。
帰国してから、ご主人が具合が悪くなり、病院を受診されました。
いろんな検査をしましたが、病状がどんどん悪化して、お亡くなりになられました。
後で、検査の結果から熱帯熱マラリアに感染したことがわかりました。
その後、奥さんがマラリアは薬で予防できることを知りました。
ところが、その旅行を企画した旅行会社は、マラリアの感染の危険性や、お薬による予防投与の話は一切していませんでした。
そのことに疑問を思った奥さんはその旅行会社を裁判に訴えということでいた。
マラリアは今でも世界中で多くの人がなくなる感染症です。
とくに、マラリアが日常的にみられる地域や国に行くときには、マラリアのお薬の予防投与も考えてください。
一般的には、どこの国に行くか、どれぐらいの期間いくか、どんな生活環境か、季節はいつか、その場所は高いところにあるかなどのことを総合的に考えてからお薬を飲むべきかどうか判断します。
ただし、気を付けなくてはいけないことは、そのお薬が効かないマラリアが蔓延している国では、予防投与は効かないことになります。
私もこれまで、メフロキンとドキシサイクリンというお薬を予防投与で飲んだことがあります。
中でもメフロキンは神経に作用する副作用が、かなりの確率ででてしまいます。
その副作用の一つに「悪夢」があります。
私もメフロキンを飲んでいるときは、毎晩夢の中に奥さんが現れていました。
これも副作用ですかね(きっとこのブログは奥さんは見てませんよね)
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症