可愛い犬や猫。でも、きちんと付き合って感染症には注意を
猫ひっかき病はどんな病気?
猫が病名になったものでは猫ひっかき病が最も有名です。
猫ひっかき病はバルトネラと呼ばれる細菌の感染症です。
実は猫ひっかき病の原因は長い間わかっていませんでした。猫ひっかき病が見つかってから40年間ぼどさまざまな研究者がその原因を探ってきましたが、最近になってやっとバルトネラが原因とわかりました。
猫ひっかき病はまさに猫にひっかかれたり、咬まれたりした後に起こる病気です。
大人になった猫よりも、やんちゃな子猫(英語ではキティと言いますが)にひっかかれたときに起きやすいとされています。
だた、猫ひっかき病はひっかかれてからすぐには症状がでないので、病院で話すときにひっかかれたことを忘れていることもあります。
猫ひっかき病で、最も多い症状はリンパ腺が腫れることです。例えば、右の手をひっかかれたときは、右の脇の下のリンパ腺が腫れてきます。
ときには野球のボールぐらいの大きさまでリンパ腺が腫れることがあるので、びっくりして病院に行きます。
このとき、先生に猫にひっかかれたことをちゃんと話してください。
幸いも猫ひっかき病は自然に治ることが多く、命に関わるような合併症を起こすことも少ない病気です。
抗生物質を飲まなければいけないどうかは、まだはっきりしていませんが、心配な人は病院で抗生物質をもらってください。
小さな子猫はとても可愛いですが、好奇心や警戒心も強いので、接するときは優しく、静かにしてやってください。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症