インフルエンザが流行の時期になりました。正しい知識で対応しましょう
そもそもインフルエンザがはどんな病気?
少し、仕事で忙しかったので感染症の小部屋をおさぼりしてすみません。
今回は、まさに流行の時期に入ろうとしているインフルエンザについてのお話です。
そもそもインフルエンザはどんな病気でしょうか。
それは、インフルエンザウイルスによる全身の感染症です。
よく「インフルエンザは風邪と違います。」といったフレーズを耳にすると思います。
風邪はコロナウイルスやアデノウイルスなどインフルエンザと同じウイルス感染症です。
しかし、一般的な風邪は咽頭や上気道に限局された感染症です。
それに比べてインフルエンザは全身の感染症です。そこが大きな違いです。
風邪で命に関わることはありませんが、インフルエンザは肺炎や脳炎など体全身に感染し、命に関わることがあるのです。
そのが風邪とは大きく違うところなのです。
古文書などによると、インフルエンザと思われる病気の記載は400年以上前からあるそうです。
でも、インフルエンザがウイルスの感染症とわかったのは、Smithをいう学者が1933年にA型のインフルエンザウイルスを発見してからです。
その発見を受けて、1940年代から今、私たちが予防接種で注射されるワクチンの開発が進みました。
そして、今ではインフルエンザに罹ったときには、お医者さんもらうタミフルが開発されたのは2000年です。
インフルエンザのいろんなことが解ってきたのはつい最近のことなのです。
今回も4回にわたってインフルエンザに関わるお話をしていきます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症