今日の新着記事フィリピンの保健当局は28日、南部ミンダナオ島のマギンダナオ州で4歳女児のポリオ(小児まひ)感染を確認した。女児は9月26日、突然の発症で病院に搬送された。同国では先月、近接する南ラナオ州で19年ぶりにポリオ患者が確認されたが、それ以降では女児は3人目の発症で、最初の患者のウイルスと遺伝的に関連しているという。2019年10月29日配信共同通信社
お母さん
ポリオはどんな感染症ですか?
ポリオウイルスによるウイルス感染症です。
前崎 先生
ポリオはポリオウイルスによるウイルス感染症です。
現在、世界中でポリオウイルスが残っている国は、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアなどごく限られた国だけです。
多くの国では、ワクチンが接種され、ポリオは根絶されています。
お母さん
ポリオウイルスに感染するとどんな症状がでますか?
神経の症状がでて、麻痺や歩く時の障害がでます。
前崎 先生
ポリオウイルスに感染してもほとんどの人は何の症状もでません。
ごくまれに感染してから神経の症状がでることがあります。
多くは足に障害がでて、歩くことが難しくなったり、麻痺がおこったりします。
子供の時に感染すると、大人になってから、足に力が入らなくなったり、歩く時に障害がでたりします。
お母さん
ポリオはワクチンで予防できますか?
日本ではワクチンで予防しているため、患者さんはいません。
前崎 先生
ポリオはワクチンで予防することができます。
ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。
生ワクチンはごくまれにワクチンから感染する危険性があります。
日本では、不活化ワクチンが使われて、ジフテリア・百日咳・破傷風の3週混合ワクチンと一緒に注射で予防接種をします。
ここがポイント日本ではワクチンの接種によってポリオの患者さんはいません。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症