今日の新着記事 中国甘粛省蘭州の衛生当局は15日、昨年夏、蘭州の製薬工場で動物用ブルセラ症ワクチンの生産工程でずさんな管理により菌が漏えいする事故があったと発表した。今月までに関係者計約2万1千人の検査を進め、約3千人が感染したと確認した。全員に何らかの症状があったかは不明。2020年09月16日配信 共同通信社
お母さん
ブルセラ菌はどんな菌ですか?
ウシ、ブタ、ヤギなどの家畜に寄生する菌で、そこからヒトに感染します。
前崎 先生
ブルセラ菌はウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの家畜に寄生する菌で、そこからヒトに感染します。
感染経路はこれらの家畜から作ったミルクやチーズなどを食べて感染する場合と、これらの家畜の尿などの排泄物に触ってから感染する場合があります。
世界的には地中海地方や中南米に多く、主に酪農家に感染が見られます。日本での患者さんは極めて稀です。
お母さん
ブルセラ症はどんな症状が出ますか?
午後から夕方にかけて高い熱がでることが特徴的です。
前崎 先生
ブルセラ症はインフルエンザと同じように高い熱がでます。
熱は間欠熱と呼ばれて、朝は平熱ですが、午後から夕方にかけて高い熱が出ます。
その他には下痢などのお腹の症状や頭痛や倦怠感などのほかにリンパ腺が腫れたりします。
お母さん
ブルセラ症は治療できますか?
抗生物質で治療することができます。
前崎 先生
ブルセラ症は有効な抗生物質で治療することができます。
多くの患者さんは治ってしまい、死亡することは一般的には少ないとされています。
家畜などの動物にはワクチンが有効ですが、ヒトでは副作用が強いためワクチンは使用できません。
ここがポイントブルセラ症は家畜から感染する人獣共通感染症です。有効な抗生物質で治療すれば死亡することはありません。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症