インフルエンザのワクチン接種「強く推奨」、学会が見解…豪州での流行受け

今日の新着記事日本ワクチン学会は、今冬はインフルエンザが国内でも流行する恐れがあるとして、インフルエンザワクチンの接種を「強く推奨する」との見解を発表した。北半球の流行予測の指標となる南半球のオーストラリアで、4月以降、流行がみられることを受けた。2022年6月28日配信読売新聞

コロナとインフルエンザは同じ仲間のウイルス

生物学的に新型コロナとインフルエンザの違いを確認してみましょう。

ウイルスの分類としては、どちらもRNAウイルスに属しています。

ウイルス学的には新型コロナウイルスはプラス鎖RNAウイルスで、インフルエンザウイルスはマイナス鎖RNAウイルスになります。

コロナウイルスが細胞質内で複製するのに対して、インフルエンザウイルスは核の中で複製が行われます。

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極端に少なかったこの2年間

インフルエンザは例年、12月中旬から流行が始まり、2月頃にピークを迎え、3月下中には終息します。

ただ、2019/20シーズンのインフルエンザはこれまでの統計の中では極端に患者数が少ないシーズンとなりました。

2019年末から2020年初頭にかけてA(H1N1)pdmの小流行がみられ、2020年に入ってB型が散見されたものの、新型コロナウイルスの第4波の流行が始まった2月以降は、急速に患者報告数が減少しました。

この傾向は2021/22シーズンも同じ傾向で、インフルエンザの患者数は極めて少ない結果になりました。

豪州でのインフルエンザの急増

新型コロナウイルスの流行がなかった以前は、南半球の流行状況をみて、わが国の流行の予測やワクチン株の選定などを行っていました。

今は新型コロナウイルスの流行下ですので、同じような予測が可能かどうかはわかりませんが、この2年間夏の流行期のオーストラリアでの患者数は日本と同様に極めて少なくなっています。

ところが、今年の夏は豪州でのインフルエンザの患者数が急増しています。

確かに、この2年間に豪州やニュージーランドはロックダウンも含めた厳しい制限をしてきました。

しかし、今では制限はほぼなくなっています。

そのことが、インフルエンザの患者数の急増の一因と考えられます。

そう考えると、日本でも制限が緩和われた今シーズンはインフルエンザの患者が増えることが懸念されます。

例年以上にインフルエンザワクチンの接種が推奨されます。

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ここがポイント新型コロナウイルスに対するさまざまな制限が撤廃された豪州でこの夏のシーズンにインフルエンザの患者数が急増しています。日本でも今シーズンはインフルエンザの流行に十分な注意が必要です。

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