今日の新着記事 米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」について、米食品医薬品局(FDA)は14日、諮問委員会を11月30日に開き、緊急使用許可を出すべきか検討すると公表した。メルクによると、認められれば新型コロナ向けの飲み薬として初めてとなる。早ければ年内にも承認される可能性がある。2021年10月15日配信 朝日新聞社
お母さん
モルヌピラビルはどんなお薬ですか?
合成されたヌクレオシドでコロナウイルスのRNA増幅を止める薬です。
前崎 先生
モルヌピラビルは合成されたヌクレオシド(核酸)の薬です。
コロナウイルスが増殖する際の本来のmRNAに入り込んでその複製を阻害することによってウイルスが増えることを防ぎます。
本来はインフルエンザの薬として開発されてきました。
お母さん
モルヌピラビルはどんな効果がありますか?
軽症から中等症の患者が悪化することを防いだり、死亡することを少なくします。
前崎 先生
モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症の軽症から中等症の患者さん効果があります。
飲み薬なので、自宅療養の患者さんにも投与することができる薬です。
臨床試験の結果では、偽薬(プラセボ)を服用した患者さんと比較して、入院する患者数を約半分に減らすことができました。
お母さん
モルヌピラビルの副作用はありませんか?
現時点では注意すべき副作用は認められていません。
前崎 先生
モルヌピラビルの臨床試験の結果では、特に注意すべき副作用は認めていません。
ただし、同じような効果の薬で、インフルエンザの治療に使われるアビガンでは奇形の問題があります。
モルヌピラビルもアビガンと同じような副作用がでないか、今後も注意が必要です。
ここがポイントモルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症の軽症から中等症の患者さんに効果が確認された薬です。飲み薬のため、自宅療養中の患者さんにも投与することができる薬剤です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症