今日の新着記事世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として米食品医薬品局(FDA)が正式承認した抗ウイルス薬レムデシビルについて、症状の軽重にかかわらず、使用は推奨しないとの指針を公表した。致死率や酸素吸入の必要性などの改善につながらなかったとしている。2020年11月20日配信共同通信社
お母さん
レムデシビルはどんな薬ですか?
エボラ出血熱の治療薬として開発されました。
前崎 先生
レミデシビルは本来はエボラ出血熱の治療薬として、米国の製薬会社で開発されました。
新型コロナウイルスもエボラ出血熱と同じRNAウイルスであることから、新型コロナウイルスにも有効ではないかと考えられています。
新型コロナウイルスがRNAを合成するときに必要なRNAポリメラーゼの働きを阻害することで効果があると考えられています。
お母さん
レミデシビルは新型コロナウイルスに有効ですか?
重症の患者さんにはある程度効果があると考えられています。
前崎 先生
レミデシビルは注射として使う薬なので、ある程度重症の患者さんに使うことが想定されています。
人工呼吸器を使うような重症の新型コロナウイルスの患者さんにレミデシビルを使ったところ効果があったと報告されています。
しかし、実際にはどのような患者さんに効果があるかどうか、まだよくわかっていないことがたくさんあります。
お母さん
レミデシビルには副作用はありませんか?
腎臓の働きが悪くなるなどの副作用があります。
前崎 先生
レミデシビルを投与した患者さんの中には、腎臓の働きが悪くなる副作用がでることがあります。
そのため、透析中などもともと腎臓の機能が悪い新型コロナウイルスの患者さんには使えないことが多くあります。
ただし、いまだ多くの患者さんに使ったことがないので、どれくらいの頻度で副作用がですか、またああはほかに副作用はないかなどわからないこともたくさんあります。
ここがポイントレミデシビルは本来はエボラ出血熱の治療薬として米国の製薬会社で開発されました。エボラ出血熱と同じRNAウイルスである新型コロナウイルスにも有効性が期待されています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症