今日の新着記事世界保健機関(WHO)は3月31日、新型コロナウイルス感染症に対する治療の効果が確認できていないとして、抗寄生虫薬「イベルメクチン」の服用は臨床試験(治験)に限定するよう求めた。2021年04月01日配信 共同通信社
サラリーマン
イベルメクチンはどんな薬ですか?
寄生虫の1種の糞線虫に有効なお薬です。
前崎 先生
イベルメクチンは寄生虫の1種である糞線虫に有効なお薬です。
そのほかにも疥癬と呼ばれるダニの病気も治療薬としても使われます。
日本人でノーベル賞を受賞した大村 智先生が発見したお薬です。
サラリーマン
イベルメクチンは新型コロナウイルス感染症に有効ですか?
臨床試験ではまだ十分に効果があるかどうか証明されていません。
前崎 先生
イベルメクチンは試験管内では新型コロナウイルスの増殖を抑える働きがすると報告されています。
しかし、実際の新型コロナウイルス感染症の患者さんに投与しても明らかな効果は証明されていません。
プラセボと呼ばれる偽薬とイベルメクチンを服用した患者さんの間で明らかな差が認められなければ、効果があるとは言えません。
サラリーマン
なぜ、そのような効果がないお薬を飲むのですか?
開発途上国では広く一般的に使われているお薬だからです。
前崎 先生
イベルメクチンは開発途上国では広く一般的に使われているお薬です。
しかも、お薬の値段が安く、安易に手に入れることができます。
しかし、ある程度の副作用があるお薬なので、新型コロナウイルス感染症に効かないばかりか、副作用で悪化する懸念性もあります。
ここがポイントイベルメクチンは日本人でノーベル賞を受賞した大村先生が開発して薬で、寄生虫などの効果があります。しかし、新型コロナウイルス感染症に対する有効性は十分に証明されておらず、使用には慎重となる必要があります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症