今日の新着記事南米ペルーを中心に流行している新型コロナの変異株「ラムダ株」の感染者が日本でも見つかった。ペルーでは新規感染者の8割から検出されている。最初にラムダ株を報告したペルーの専門家は、「感染力が強いことは確実だ」としつつ、致死率が他の変異株より高いかは不明だとしている。ワクチンが効きにくい可能性も指摘されているが、結論は出ていない。ただ、ペルーではワクチン接種が進み、新規感染者数は減少傾向にある。2021年08月14日配信 朝日新聞社
お母さん
ラムダ株はどこで発見されたのですか?
最初に南米のペルーで発見されました。
前崎 先生
ラムダ株は2020年8月に南米のペルーで最初に発見されました。
遺伝子学的にはC.37系統と呼ばれる変異ウイルスです。
現時点では南米のペルー、チリ、エクアドルなどの国々を中心に流行しています。
お母さん
ラムダ株は怖い変異株ですか?
現時点ではWHOは注目すべき変異株(VOI)と位置付けています。
前崎 先生
ラムダ株は現時点ではWHOは公衆衛生上の注目すべき変異株(VOI)の一つとして位置付けています。
今、日本で流行しているデルタ株などは懸念すべき変異株(VOC)として位置付けています。
ただし、今後の流行の状況次第ではその位置づけが変わることもあります。
お母さん
ラムダ株は感染力が強いのですか?
他の変異株との違いはいまだはっきりわかっていません。
前崎 先生
ラムダ株は現時点では南米のいくつかの国々で流行しているのみで、その感染力が他の変異株より強いかどうかはっきりわかっていません。
また、同様に病原性や今のワクチンが有効かどうかもはっきりわかっていません。
日本で検出されたラムダ株はいまだ極めて少数ですが、今後の動向には注意が必要です。
ここがポイント新型コロナウイルスの変異ウイルスの一つであるラムダ株は2020年8月に南米のペルーで発見されました。現時点では南米の国々で流行していますが、今後は日本でもその動向に注意が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症