今日の新着記事札幌市保健所は20日、同市南区のイタリア料理店でクマ肉のローストを食べた30~70代の男女6人が発疹や発熱を訴えたと発表した。うち女性1人から多くの野生動物に寄生する「旋毛虫(せんもうちゅう)」の抗体が検出されたことから食中毒と断定した。いずれも回復に向かっている。2019年12月23日共同通信社
お母さん
旋毛虫はどんな感染症ですか?
野生の動物に寄生する旋毛虫を食べることによって感染します。
前崎 先生
旋毛虫は野生の動物の筋肉の中にいる寄生虫を食べることによって感染します。
野生の豚、うさぎ、馬、熊などさまざまな動物に寄生します。
世界中どこでも見られ、時に食中毒として集団感染することもあります。
お母さん
旋毛虫に感染するとどんな症状がでますか?
普通は下痢や吐き気などお腹の症状がでます。
前崎 先生
旋毛虫のいる野生の動物の肉を食べることによって感染します。
一般的には、水みたいに下痢、吐き気、お腹の痛みなどの症状がでます。
ヒトの筋肉の中に感染すると、筋肉痛やむくみ、熱などの症状が出ることもあります。
心臓や脳、肺などに感染すると重症となり、稀に死亡することもあります。
お母さん
旋毛虫に感染しないためにはどうすればいいのですか?
野生の動物の肉を食べるときは、十分加熱することが大切です。
前崎 先生
最近では、ジビエ料理として野生の動物の肉を食べる機会が多くなっています。
野生の動物の肉は、低温に管理された冷蔵庫で適切に保存し、食べる時には十分に加熱したものを食べることが大切です。
もし、旋毛虫に感染した時には、適切にお薬を服用し、全身に感染が及ばないように治療することが重要です。
ここがポイント旋毛虫はジビエ料理などで、野生の動物の肉を食べることによって感染します。適切に保存された肉を、十分に加熱した後に食べることが大切です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症