今日の新着記事新型コロナウイルスの流行が、風疹対策にも影を落としている。国は予防接種を受ける機会がなかった世代に対し、免疫があるか確かめるため、今夏までに約480万人に抗体検査をするとの目標を立てていたが、コロナ禍で達成できない見込みだ。厚生労働省は見直しを検討している。2020年8月26日配信 朝日新聞 News
お母さん
風疹はどんな感染症ですか?
風疹ウイルスによるウイルス感染症です。
前崎 先生
風疹は風疹ウイルスによるウイルス感染症です。
感染すると熱がでたり、身体に発疹が出たりしますが、特別な治療もしないで自然に治ります。
ただし、妊婦さんが感染すると子供に影響して、先天性風疹症候群とよばれる病気の赤ちゃんが生まれてしまいます。
お母さん
風疹を防ぐにはなにが必要ですか?
予防接種を確実に受けておく必要があります。
前崎 先生
風疹はワクチンで予防することがでできます。
しかし、ある一時期に風疹の予防接種で副作用がでたので、改良されたワクチンでできるまで予防接種をしていない時期がありました。
この時期に予防接種を受けていない世代のヒトが子供を産む世代になって風疹になると赤ちゃんに病気がでてしまいます。
お母さん
国はそのためどんな対策をしたのですか?
ワクチンを接種していない年齢のヒトに無料で抗体検査をしたり、ワクチンが接種できるようにしています。
前崎 先生
国は、この年代のヒトに無料で風疹の抗体を検査できるようにしています。
もし、抗体が陰性の時にはワクチンを接種できる体制もとっています。
特に、男性が妊婦さんに風疹を感染させることを防ぐため、男性にもこのような処置をしています。
ところが、新型コロナウイルス感染症の流行で、病院に行くことを拒む人が多くなって、この政策がうまく機能していないことが危惧されています。
ここがポイントある年代のヒトは風疹の予防接種を受けていないため、この年代の人が感染したり、妊婦さんに感染させると先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれてしまいます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症