梅毒「妊娠前に検査を」 女性患者増加、母子感染も高止まり

今日の新着記事性感染症の梅毒の感染拡大が止まらない。今年3月までの報告では、20~30代の女性患者が全体の4分の1を占める。こうした中で懸念されるのが、感染した妊婦から胎児に感染する「先天梅毒」だ。10年前の年間の報告数は4人だったのが、今年は3月までに既に6人に上る。感染した妊婦が治療しても母子感染を完全には防げないという。専門家は「特定の配偶者や恋人からうつることもある。妊娠を考えている人は、妊娠する前に検査することも検討してほしい」と警鐘を鳴らす。2023年7月5日配信毎日新聞社

梅毒が再び増えています。

梅毒は1999年から感染症法で全数報告対象疾患となっています。
梅毒を診断した医師はその発生を保健所に報告しなければいけません。
日本では2000年代になってから梅毒の患者数は年々減少し、500~900例程度となっていた。
しかし、2011年頃から増加傾向となり、2019~2020年に一旦減少したものの、2021年以降再度増加に転じました。

今日の新着記事埼玉県内で梅毒の患者が増えている。今年の届け出数は8月30日までに300件(前年同期186件)で、すでに前年1年間(287件)【続く】
さらに2022年10月時点での報告数は約半世紀ぶりに高い水準となっています。

2022年から2023年に報告された梅毒の患者数(国立感染症研究所)

プレゼンテーション1
梅毒の患者数は2022年では約半世紀ぶりの高い水準となっていますが、2023年にもその傾向は続いています。

先天梅毒とは

梅毒は梅毒トレポネ−マと呼ばれる病原体による感染症です。

今日の新着記事今年上半期に性感染症の「梅毒」と診断された患者が5000人を超えたことが、国立感染症研究所が12日公表した調査結果でわかった。【続く】
多くの場合は菌を排出している早期の梅毒の患者の粘膜を介した性行為で感染します。
最近では以前にあった輸血を介した感染はなくなりました。
感染した妊婦の胎盤を介した感染が先天梅毒と呼ばれます。

2022年から2023年に報告された先天梅毒の患者数(国立感染症研究所)

プレゼンテーション2
梅毒の患者数の増加に伴って、先天梅毒の報告数も増加しています。

先天梅毒はどのような病気か

感染した妊婦の胎盤を介して梅毒トレポネ−マが感染した場合は、死産や流産になることが多くあります。
また、そうでない場合も胎児の発育や臓器の形成に重大な影響を与える可能性があります。
感染が早期に発見されない場合、重篤な合併症や障害を引き起こすことがあります。
特徴的な症状としては

先天梅毒の初期症状(新生児期)

  • 出生直後から数週間以内に、皮膚に鳥が羽を広げたような形状の発疹(鳥肌疹)が現れる。
  • 体の多くの部位に、赤いまたは黒い斑点が出現する。
  • 鼻出血や鼻づまり、骨の変形、発育不良などが見られる。

先天梅毒の後期症状(数年後)

  • 歯の形成障害や歯周病が起こる。
  • 骨の変形や異常が進行する。
  • 中枢神経系に影響を及ぼし、知的障害、神経学的症状、聴覚または視覚の障害が現れる。

先天梅毒は、早期に診断されて適切な治療を受けることが重要です。
適切な抗生物質療法(通常はペニシリン系の抗生物質)が投与されれば、感染リスクや合併症の発生率は低くなります。

この世に男女がいる限り。性行為感染症 梅毒。それは昔の病気ではありません。 今回は、性行為感染症を取り上げます。 性行為感染症は文字通りSe【続く】
妊娠中の梅毒感染の早期発見と治療は、胎児の健康を保護するために重要です。

ここがポイント梅毒の患者数の増加に伴って先天梅毒の報告数も増加しています。感染した妊婦の胎盤を介して胎児に感染します。重篤な後遺症も残るため早期の診断と治療が重要です。

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