新型コロナウイルス感染症。基本的なことを抑えましょう(第1回)
新型コロナウイルスはどんなウイルスですか?
今回のシリーズでは、新型コロナウイルス感染症を取り上げます。
いま最も話題の感染症ですが、これまではあえてその話題を取り上げていませんでした。
しかし、さすがに感染症の話題を解説するこのサイトとしては、そろそろ取り上げないわけにはいかないと思います。
今回のシリーズでは、新型コロナウイルス感染症について、誰でも理解できるように基本的なことを解説したいと思います。
第1回目はずばり新型コロナウイルスとはどんなウイルスかを簡単に解説します。
新型コロナウイルスはRNAウイルスの1種類です。
エボラウイルスや、インフルエンザウイルスも同じRNAウイルスの仲間です。
このウイルスは感染した細胞内でmRNAとして感染し、タンパク質を複製して、新しいウイルスを作り出します。
コロナウイルスは球形の形をしていて、その表面にスパイクと呼ばれる突起状のタンパク質があります。
この形が、太陽のコロナに似ていることから、コロナウイルスと言う名前が付いたと言われています。
実はこのコロナウイルスは私たちが冬になるとよく引く風邪の原因ウイルスとしてとても多いものです。
大人の風邪の15%程度は、このコロナウイルスが原因ともいわれています。
そう考えるとコロナウイルスなんて、全く怖がることはないと思いがちですが、
実は同じコロナウイルスの中にとても怖いウイルスが潜んでいます。
次回は、その怖いコロナウイルスについてお話しします。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症