今日の新着記事多くの抗菌薬が効かない「OXA48型」と呼ばれる多剤耐性菌が県内で初めて検出されていたことが9日、県関係者への取材で分かった。県内医療機関の患者1人から検出された。県と国の研究機関が菌を特定、国内でも検出例が極めて少ない菌で、県の研究機関も「院内感染などで広がると危険で、注意深く監視する必要がある」としている。2021年4月10日配信毎日新聞社
サラリーマン
多剤耐性菌とはどんな菌ですか?
多くの種類の抗生物質が効かなくなった菌です。
前崎 先生
多剤耐性菌とは多くの種類の抗生物質が効かなくなった菌です。
中でも、多くの菌に効果があるカルバペネム系の抗生物質が効かなくなった菌のことを「カルバペネム耐性菌」と言います。
この「カルバペネム耐性菌」は多剤耐性菌の代表格です。
サラリーマン
なぜ、多剤耐性菌ができるのですか?
原因の一つに抗生物質の乱用があります。
前崎 先生
多剤耐性菌を作る原因の一つに抗生物質の乱用があります。
また、多くの菌に効果があるカルバペネム系の抗生物質を使いすぎると多剤耐性菌ができます。
時には、海外から多剤耐性菌が人の体内に潜んで日本に運ばれてくることもあります。
サラリーマン
多剤耐性菌にはどんな注意が必要ですか?
広がらないようにきちんと感染対策をすることが大切です。
前崎 先生
いまだ、日本で稀な多剤耐性菌が発見されたときには、それ以上広がらないようにきちんと感染対策をすることが大切です。
このような多剤耐性菌の多くは入院中の患者さんに発見されることが多いため、院内感染対策を徹底します。
とくに、手指衛生は大切で、アルコールで消毒したり、石けんを使ってこまめに手洗いをすることが大切です。
ここがポイント奈良県の病院で、日本ではいまだ稀な「OXA48」型の多剤耐性菌が分離されました。これ以上感染が拡大しないように徹底した院内感染対策が重要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症