RSVワクチン承認へ 国内初、60歳以上向け(国内の話題)

今日の新着記事発熱やせきなど風邪の症状を引き起こすRSウイルス(RSV)について、厚生労働省の専門部会は28日、英製薬大手グラクソ・スミスクラインが開発した60歳以上向けワクチンの製造販売承認を了承した。厚労省担当者は「準備が整えば速やかに承認する」と説明している。国内初のRSV感染症ワクチンとなる。2023年08月29日配信 共同通信社

RSウイルスとはどんなウイルスか

RSウイルスは世界中に存在し、小さな子供の呼吸器感染症を起こすウイルスです。

満2歳の誕生日までにほぼ100%の子供が感染します。

感染すると気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を起こします。

ウイルスにはグループAとBの2つのタイプがあります。

日本では毎年冬に流行が起こり、感染した子供の1~3%が入院が必要な重症例になります。

特に未熟児や肺や心臓に先天性の病気を持っている子供では重症となりやすいとされています。

また、慢性の呼吸器疾患を有する高齢者では重症の肺炎を起こし、死亡することもあります。

RSウイルス感染症は毎年冬に流行しますが、2022年は夏から患者が報告されています。2023年はさらに多くの患者が春から夏にかけて報告されたいます。(国立感染症研究所のホームページより作成)

大人におけるRSウイルスワクチンの臨床試験の結果

大人(とくに高齢者)を対象にRSウイルスワクチンの臨床試験が海外で行われました。

世界17ヶ国で25,000人の60歳以上の高齢者を対象にRSワクチンの有効性と安全性を評価する臨床試験が行われました。

60歳以上の成人を対象に世界17ヶ国で、約25,000人にワクチンと偽薬(プラセボ)を投与しました。

ワクチンを投与して半年後に呼吸器感染症を発症した人はワクチンの投与によって80%以上少なくなりました。

また、副反応については注射部位の痛みや、全身倦怠感などがありましたが、いづれも軽微なものでした。

この臨床試験の結果から60歳以上の高齢者ではRSウイルスワクチンが有効であることが示されました。

この結果をもとに日本でも高齢者に対するRSウイルスワクチンが承認されました。

ここがポイントRSウイルスは小さな子供に気気管支炎や肺炎を起こしますが、時に高齢者でも重症の肺炎を起こします。今回高齢者におけるRSウイルスワクチンの有効性と安全性が証明され、患者に投与可能となりました。

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