今日の新着記事厚生労働省は17日、新型コロナウイルスの感染の有無を唾液で判定できる抗原検査キットを承認した。唾液を利用する抗原検査キットは初めてで、鼻の粘液を使う従来の製品よりも簡便に検査ができる。2022年3月18日配信読売新聞
サラリーマン
抗原検査はどんな検査ですか?
感染早期にウイルスの一部の成分を見つける検査です。
前崎 先生
抗原は新型コロナウイルスに感染して早い時期にウイルスの成分の一部を見つける検査です。
そのため、感染したから時間が経ってしまうと検査できません。
このウイルスの一部の成分を抗原として検出し、感染していることを診断します。
サラリーマン
抗原検査にはこれまで唾液は使えなかったのですか?
唾液ではこの抗原の量が少ないため検出できませんでした。
前崎 先生
新型コロナウイルスの検査には鼻の奥(鼻咽頭)や鼻の中(鼻腔)などの検体と唾液が検体として使えました。
PCR法は感度が優れているため、唾液でも検査ができました。
しかし、これまでは唾液ではウイルスの量が少ないため、抗原検査はできませんでした。
サラリーマン
唾液で検査できるとどんな利点がありますか?
患者の苦痛が少なくなり、検体をとるときの感染も少なくなります。
前崎 先生
唾液をとるときは、綿棒などを鼻の中に入れる必要がなくなり、患者さんの苦痛が少なくなります。
また、唾液は患者さんが自分自身でとることになるため、他の人に感染させるリスクも少なくなります。
そのため、病院でなくてもどこでも検査をすることが可能なります。
ここがポイント新型コロナウイルスの抗原検査に唾液が使えるようになりました。このことは検査を受ける患者さんの苦痛が少なくなるとともに検査の際の感染のリスクも少なくなり、病院以外でもどこでも検査ができることになります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症