長崎みなとメディカルセンター(長崎市)で看護補助員が肺結核を発症した問題で、病院を運営する市立病院機構は8日、検査で陽性反応が出た患者ら21人中4人が、補助員との接触で感染したとみられると発表した。2019年5月11日 (土)配信毎日新聞社
Q. 肺結核はどんな病気ですか?
A. 結核菌の感染による細菌感染症です。
肺結核は細菌の一種で、抗酸菌と呼ばれる菌の中の結核菌による細菌感染症です。以前は国民病として多くの患者さんがいましたが、その後、治療薬が進歩したことによって、患者さんの数は激減しています。
Q. 肺結核はどのようにして感染しますか?
A. 空気中の結核菌を吸い込むことによって感染します。
結核菌は空気感染します。同じ空気を吸っている人は空気中にいる結核菌を吸い込むことによって肺結核になります。そのため、肺結核は一度の多くの人に感染します。空気感染する結核は皆さんが普段つけているマスクでは防ぐことができず、特殊なマスクが必要です。
Q. 結核に感染したどうか血液検査でわかるのですか?
A. 明らかに肺結核の人と接触したことがわかっている場合は血液検査でわかることがあります。
明らかに肺結核の人に接触したことがわかっている場合は、特殊な血液検査で感染しているかどうか検査することができます。しかし、この血液検査は肺結核の人に接触してからすぐに反応が出ないので、数か月間してから検査する必要があります。
Q. もし、その血液検査で感染しているとわかった場合はどうするのですか?
A. 発症しないように予防的に薬を飲むことができます。
その血液検査でもし感染していると判断された時には、肺結核にならないように予防的にお薬を飲むことができます。結核に効果があるお薬を1種類毎朝、6ケ月間飲んでもらいます。そのことによって肺結核になることをある程度防ぐことができます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症