オミクロン用ワクチン有望 モデルナ発表、秋接種想定

今日の新着記事米モデルナは8日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新ワクチンの臨床試験で、強い免疫反応を引き起こし防御効果が見込めることが分かったと発表した。ンセル最高経営責任者(CEO)は「効果も従来の製品より長持ちするはずだ」との見方を示した。流行が厳しくなると予想される冬を前にした秋の追加接種が可能になるよう、各国の規制当局への申請を進める。2022年6月9日配信共同通信社

新型コロナウイルス感染症には、これまで感染防止のためにワクチンが接種されてきました。日本でも3回目のブースター接種が行われており、高齢者など基礎疾患を持つヒトには4回目の接種が開始されています。

しかし、これまでに使われているワクチンは新たな変異株であるオミクロン株では、感染を予防する効果が低くなるころが判っています。

そのため、オミクロン株にも有効なワクチンの開発が進められてきました。

今回は新型コロナウイルスのワクチンについて解説します。

再び新型コロナウイルスの話題(第1回) ワクチンは本当に有効か 今回の感染症の小部屋では、再び新型コロナウイルス感染症の話題を取り上げます。【続く】

mRNAワクチン

日本で多くの人が接種したファイザーとモデルナのワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるものです。

これまでのワクチンは生ワクチンあるいは不活化ワクチンと呼ばれるもので、mRNAワクチンが人に投与されるのは今回の新型コロナウイルスワクチンが初めてです。

mRNA(メッセンジャーRNA)は分解酵素で容易に破壊されるため、脂質ナノ粒子と呼ばれる極小のカプセルに包んで投与します。

そのことによって人の細胞内に取り込まれやすくなり、筋肉細胞や樹状細胞内でmRNAをもとにタンパク質が作られます。

このタンパク質の一部がリンパ球に提示されて免疫反応が起こる仕組みです。

新型コロナウイルスがヒトに感染する際には、ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質が重要な働きをします。

ファイザーとモデルナのワクチンには、このスパイクタンパク質を生成するmRNA遺伝子が組み込まれています。

なぜオミクロン株では効果が低いのか

オミクロン株ではそれまでのデルタ株などの変異株に比べてスパイクタンパクの構造が大きく変化しています。

そのため、これまでのmRNAワクチン遺伝子では、その変化したスパイクタンパクを十分に作り出すことができません。

このことが原因でオミクロン株に対しては感染予防の効果が低くなってしまいました。

今回、モデルナ社ではこのオミクロン株のスパイクタンパクを作るmRNAを組み込んだワクチンを開発しました。

臨床試験の結果ではオミクロン株にも十分効果があることが確認されました。

今後はこれまでのデルタ株までのスパイクタンパクmRNAとオミクロン株のスパイクタンパクmRNAの2つが組み込まれたワクチンが使われることになると思います。

ここがポイントモデルナ社はこれまでオミクロン株に効果が低かったmRNAワクチンを改良して、オミクロン株にも効果があるワクチンを開発しました。今年の秋から接種ができるとされています。

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