2019年09月02日配信共同通信社
風邪はどんな感染症ですか?
ウイルスによる感染症です。
風邪はウイルスによる感染症です。
病気の名前としては、急性上気道炎と呼ばれることがあります。
急性上気道炎とは、熱がでて、咳や痰などの症状がでる病気のことを言います。
抗生物質で風邪は治りますか?
抗生物質は細菌を殺すお薬です。風邪の治療には必要ありません。
抗生物質は細菌を殺すお薬です。
風邪はウイルスの感染症ですから、抗生物質を飲む必要はありません。
健康な人では、熱を下げたり、咳を少なくしたり、痰を少なくするなどのお薬を飲んで、安静にしていれば自然に治る病気です。
風邪の時に抗生物質を飲むとなぜ悪いのですか?
もともと飲む必要のないお薬で副作用がでたりすることがあります。
抗生物質が安全なお薬と思われていますが、どの種類の抗生物質でも副作用があります。
風邪を治すために必要のない抗生物質を飲んで副作用が出ることがあります。
肝臓や腎臓の働きが悪くなったり、体全体にぶつぶつの皮疹が出たりすることもあります。
なぜ、風邪に抗生物質を使うとお薬が効かない菌ができるのですか?
抗生物質が体の中の菌に作用して薬が効きにくくなります。
風邪の治療に必要ない抗生物質を使うと、体の中の菌に薬が効きにくくなります。
そのような菌を耐性菌と呼びます。
副作用がでたりするばかりでなく、周りの菌も抗生物質が効きにくくなると、本当の細菌感染症になった時に、治りにくくなります。
ここがポイント
風邪の治療に抗生物質は必要ありません。副作用がでたり、薬の効きにくい菌ができたりします。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症