今日の新着記事東京五輪・パラリンピックに参加する選手への定期的な新型コロナウイルス検査について、政府や大会組織委員会が、唾液の採取による検査を基本とし、原則毎日行う方針を固めたことが20日、分かった。効率的な検査方法を採用し「少なくとも4日に1度」としていた従来の計画より検査頻度を上げることで、早期に感染者を発見する検査体制を構築する。感染力が強いとされる変異株の流行を受け「安全、安心」の確保へ対策を強化する狙いがある。2021年4月21日配信共同通信社
お母さん
唾液でどのように検査できるのですか?
唾液に含まれるコロナウイルスを検査します。
前崎 先生
唾液に含まれるコロナウイルスをPCR検査で検出します。
唾液は医療従事者を介さないで、自分でとることができます。
そのため、頻回に簡便に検査をすることができます。
お母さん
唾液の検査で本当に大丈夫ですか?
ほかの検体を使う場合と若干検査の感度は落ちますが、スクリーニング検査としては十分です。
前崎 先生
鼻咽頭拭い液やほかの検体を用いた時よりも、唾液では検査の感度が若干悪くなります。
ただし、症状が全くない人に対するスクリーニング検査としては十分に使うことができます。
歯磨きの後や食事をした直後などは、唾液に含まれるウイルスの量が少なくなるので注意が必要です。
お母さん
なぜ、毎日検査するのですか?
外国から変異株が持ち込まれることを早く見つけるためです。
前崎 先生
オリンピックの選手と一緒に外国から変異株が持ち込まれる危険性があります。
ブラジル株や南アフリカ株など、日本ではまだ少ない変異株も知られています。
そのような変異株がオリンピック選手と一緒に日本に持ち込まれた時に、拡がりを早く抑えるために毎日の検査が必要になります。
ここがポイントオリンピック選手とともに、日本ではまだ少ない外国の新型コロナウイルスの変異株が持ち込まれることを早期に発見するため、選手には毎日、唾液を使ったPCR検査を実施する方針を決めました。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症