今日の新着記事新型コロナウイルスの治療について加藤勝信厚生労働相は22日、新型インフルエンザ薬として備蓄している「アビガン」(一般名ファビピラビル)の効果を確かめる臨床研究として、患者に使い始めたことを明らかにした。ウイルスの増殖を妨げる効果が期待でき、中国でも研究されている。別の抗ウイルス薬の臨床研究も近く始める。2020年2月23日 配信朝日新聞
お母さん
アビガンはどんなお薬ですか?
インフルエンザに効くお薬です。
前崎 先生
アビガンはインフルエンザに効果があるお薬として開発されました。
タミフルやゾフルーザなどの他のインフレンザのお薬とは効き方が違います。
日本ではインフルエンザの患者さんの治療薬として使う許可がでています。
お母さん
普通のインフルエンザの患者さんにも使うことができますか?
これまでは新型インフルエンザが発生したときなどに使うことになっていました。
前崎 先生
アビガンはインフルエンザに効くお薬であることはわかっていました。
しかし、新型インフルエンザなどいま使っているインフルエンザのお薬が効かなくなった時の予備のお薬として蓄えてありました。
そのため、普通のインフルエンザの患者さんではアビガンは処方されません。
お母さん
どうして普通のインフルエンザの患者さんには処方されないのですか?
注意しなくてはいけない副作用があるからです。
前崎 先生
アビガンは薬を開発する動物実験の時に、奇形の子供が生まれることが確認されています。
そのため、妊婦さんには使うことができないばかりか、妊娠希望する女性にも慎重に使わなくてはいけません。
さらに、男性にも影響するため、アビガンを飲んだ後は、しばらく避妊をして妊娠させることを控えなくてはいけません。
そのため、普通のインフルエンザの患者さんには使うことができないのです。
ここがポイントアビガンはインフルエンザに効くお薬ですが、動物に投与した際に奇形の子供が生まれたことから、副作用に注意が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症