今日の新着記事感染力が強く、激しい吐き気や下痢を引き起こす「ノロウイルス」に対し、酸性のアルコール消毒液が効くことを、大阪大学などの研究チームが発見した。ノロウイルスにはアルコール消毒は効きにくいとされてきたが、今後は選択肢が増える可能性がある。2020年09月29日 配信 朝日新聞社
サラリーマン
ノロウイルスはどんなウイルスですか?
胃腸炎の原因として最も多いウイルスです。
前崎 先生
ノロウイルスは1972年に初めて発見されたエンベロープのない小型の球形ウイルスです。
急性の胃腸炎を起こすウイルスとしては最も多いウイルスです。
世界中では1年間に2億人以上が感染し、20万人が死亡しています。
サラリーマン
ノロウイルスに感染するとどんな症状がでますか?
急性の胃腸炎として、吐き気、熱、下痢がでます。
前崎 先生
ノロウイルスに感染すると、すぐに吐き気や熱がでて、それに続いて下痢がでます。
日本では11月から12月の冬場に流行し、患者の多くは子供たちです。
何もお薬を飲まないでも、12~72時間で症状は治まり、自然に治ってしまいます。
サラリーマン
ノロウイルスの消毒にアルコールは有効ですか?
これまではノロウイルスにはアルコールは効果がないとされてきました。
前崎 先生
これまでは、ノロウイルスの消毒にはアルコールや塩素系の消毒薬は効かないとされてきました。
そのため、ノロウイルスに感染しないためには、石けんを使って手洗いをすることが大切とされてきました。
しかし、今回の研究で酸性アルコールも効果があることが判明したので、今後はアルコールによる消毒が見直される可能性もあります。
ここがポイントこれまで、ノロウイルスには塩素系消毒薬やアルコールは効果がないとされてきましたが、今後は酸性アルコールによる消毒も見直される可能性があります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症