今日の新着記事急拡大している新型コロナウイルスの変異株のオミクロン株に対し、飲み薬「モルヌピラビル」など効果が期待できる薬と、点滴薬「ロナプリーブ」のように効果が期待できなくなる薬があるとの実験結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕(かわおか・よしひろ)特任教授(ウイルス学)らのチームが26日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。2022年1月27日 配信共同通信社
サラリーマン
オミクロン株にはどんな治療薬が有効ですか?
モルヌピラビルなどの抗ウイルス薬が有効です。
前崎 先生
オミクロン株にはモルヌピラビルなどの抗ウイルス薬が有効です。
モルヌピラビルと同じ抗ウイルス薬の一つであるレミデシビルも有効です。
それに対して抗体カクテル薬のロナプリーブは効果が低くなります。
サラリーマン
なぜ、抗体カクテルは効かなくなるのですか?
抗原提示となるスパイクタンパクが大きく変わってしまったからです。
前崎 先生
オミクロン株では抗体カクテル薬の標的となるスパイクタンパクの構造が大きく変わっています。
そのため、抗体カクテル薬のロナプリーブの効果が低くなってしまいます。
ただし、もう一つの抗体薬であるソトロビマブは標的がスパイクタンパクではないため、ある程度効果があります。
サラリーマン
抗ウイルス薬はどれが最も効きますか?
現時点では臨床的な有効性の違いは正確には確認されていません。
前崎 先生
現時点で、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬は、モルヌピラビル、レミデシビル、バスクロビドの3種類があります。
すべて標的部位がスパイクタンパク以外であり、オミクロン株にも効果があります。
しかし、現時点では臨床的にオミクロン株にどの薬が最も有効かどうかは確認されていません。
ここがポイントオミクロン株にはモルヌピラビルやレミデシビルなどの抗ウイルス薬は効果が期待できますが、抗体カクテル薬のロナプリーブではその効果が他の変異株に比べて低くなると考えれています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症