塩野義、抗菌薬の提供拡大 低所得国向け、耐性菌対応

今日の新着記事塩野義製薬は15日、既存の抗生物質(抗菌薬)が効かない薬剤耐性菌に対応する新規抗菌薬について、低所得国への提供を拡大するため、スイスの非営利組織とライセンス契約を締結したと発表した。耐性菌は対策を講じなければ2050年までに年間1千万人が死亡するとの予測があり、必要とする国々で手頃な価格での普及を目指す。2022年6月16日配信共同通信社

薬剤耐性菌(AMR)とは

薬剤耐性菌とは多くの種類の抗生物質が効かなくなった菌のことです。

これまで、人類はペニシリンをはじめ、さまざまな抗生物質を感染症の治療に使ってきました。

そのおかげで多くの感染症は治療することができるようになり、たくさんの命が救われてきました。

しかし、ヒトと同じ生き物である細菌は進化を続け、抗生物質が効かない子孫を生み出してきました。

今日の新着記事多くの抗菌薬が効かない「OXA48型」と呼ばれる多剤耐性菌が県内で初めて検出されていたことが9日、県関係者への取材で分かった。【続く】

それが薬剤耐性菌(AMR)と呼ばれるものです。

このままでは薬剤耐性菌によって多くの人が亡くなります

このような薬剤耐性菌の問題を重視してWHO(世界保健機構)はある推定を公表しました。

それによると人類がこの薬剤耐性菌に対して何の方策も取らないと、2050年には世界中で、10.000.000人の人が亡くなると推定されました。

抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えています。 薬剤耐性はどんなこと 今月の感染症の小部屋は抗生物質と薬剤耐性のお話しをします。 なんだか、【続く】

この数字は、がんや糖尿病など今では多くの人を苦しめている病気で亡くなる人の数をはるかに上回る数字です。

そのため、WHOは2015年にAMRグローバルアクションプランを公表して世界中の国々にこれに基づいて行動をするように呼びかけました。

それを受けてG7の主要閣僚が2016年の伊勢志摩サミットとこのAMRに対する共同声明を発表しました。

日本の製薬会社がこの薬剤耐性菌有効な薬剤を世界に供給します

今回、日本の製薬会社である塩野義製薬で開発されたセフィデロコルと呼ばれる抗生物質が世界中に供給されます。

この薬剤はカルバペネム系と呼ばれる強力な抗生物質に耐性を示す薬剤耐性菌に効果があります。

お薬の値段が高いので、開発途上国には世界中のさまざまな支援を受けて安価で提供されます。

これによって、WHOが推定した薬剤耐性菌によって亡くなる人の数が少なくなることが期待されます。

ここがポイントWHO(世界保健機構)は人類が何も方策を取らなければ、2050年までに薬剤耐性菌によって多くの人が亡くなると推定しました。そのため、この薬剤耐性菌に有効な薬剤の開発が急がれています。

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