サルモネラ菌は食中毒の原因として多い
サルモネラ菌は食中毒の原因としては腸炎ビブリオと並んで多い菌です。
サルモネラ菌による食中毒はカンピロバクターが原因となる食中毒と同じように、多数の患者さんが発生します。
なかでも学校や福祉施設、病院などで発生した食中毒は大規模になることもあります。
最近では鶏の卵が原因となる食中毒も発生しています。
成人では多くは軽症の胃腸炎を起こしますが、小さな赤ちゃんや高齢者では重症となることもあります。
サルモネラ菌はどんな菌か
サルモネラ菌は腸内細菌と呼ばれる菌の1種です。
菌のまわりに周毛と呼ばれるものをもっていて、動き回ることができます。
サルモネラ菌は身の回りのいろんなところで生息しています。
ペット、鳥、は虫類などの腸の中や、ブタ、ニワトリ、ウシなどの家畜の腸の中にも普通に生息しています。
サルモネラ菌には多くの抗生物質が有効で、特にニューキノロン系と呼ばれる抗生物質がよく効きます。
サルモネラ菌の食中毒の症状は
サルモネラ菌が感染すると普通は8~48時間後に胃腸炎の症状が出てきます。
しかし、最近では感染してから3~4日後に症状が現れる例もあります。
症状はまず気持ち悪くなり、次第に吐き気がでてきて、嘔吐することもあります。
その数時間後にお腹が痛くなり、下痢が起こります。
下痢は1日数回から十数回になり、3~4日続きますが、時には1週間程度続くこともあります。
小さな赤ちゃんでは意識がなくなったり、高齢者では下痢のために脱水症状が起こって重症化することもあります。

埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症