これからの季節、注意が必要です食中毒
食中毒の原因は感染症だけではありません
梅雨から暑い夏の季節にかけて注意が必要となるのが食中毒です。
食中毒は菌やウイルスなどの微生物で汚染された食べ物を口に入れることによっておきます。
食中毒の原因として多い菌は黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、バチルス菌などの細菌や、ノロウイルスなどのウイルスです。
菌が体の中に入ってから増殖して、食中毒を起こす場合と、菌がもっている毒素と呼ばれる物質で食中毒が起こる場合があります。
食中毒と聞くと、何らかの菌が食べ物と一緒に口から入ったと思いがちですが、実は菌やウイルスが関係しない食中毒もあります。
これは、野菜、果物、香辛料などの含まれる自然の物質やきのこに含まれるマイコトキシンと呼ばれる物質による食中毒です。
他にもある種の貝に含まれる物質を食べた時も食中毒が起こります。
日本の伝統的な食べ物ではフグによる食中毒が有名です。
このように、菌やウイルスなどの微生物以外の食中毒も多くあります。
どうも食中毒を起こす食べ物は高級で、美味しいものが多いようです。
今回は4回にわたって食中毒のお話しをします。
ご期待ください。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症