コンゴ(旧ザイール)保健省は3日、東部の北キブ州とイトゥリ州で流行するエボラ出血熱の死者が、疑い例も含め、同日時点で1008人になったと発表した。保健省は昨年8月に流行を宣言した。流行が終息する兆しは見えない。2019年5月7日 (火)配信共同通信社
Q. エボラ出血熱はどのような病気ですか?
A. エボラウイルスによるウイルス感染症です。
エボラ出血熱は1976年に初めてアフリカで流行した新しい感染症です。エボラウイルスの名前は最初に患者が発生したアフリカのザイール・ヤンブクを流れる川の名前が由来になってます。
Q. 日本ではエボラウイルス感染症は発生しているのですか?
A. 日本ではこれまで発生はありません。
エボラウイルスの感染よるエボラ出血熱は、感染症法で1類感染症に指定されており、日本では特殊な医療機関のみで治療することができます。これまで、エボラ出血熱は日本では発生していません。
Q. 世界保健機構(WHO)が緊急事態宣言を出しますか?
A. 現在は流行状況を詳しく分析しているところと思います。
前回の西アフリカでのエボラ熱の流行の時に、世界保健機構(WHO)の対応が遅く、各方面から批判を受けたので、今回は流行状況を詳細に検討していると言われています。しかし、現地の治安が非常に悪く、派遣された職員が被害に合うなど、正確な情報収集ができない状況になっています。
Q. 日本に患者さんがやってくる可能性はありますか?
A. その可能性は現況では極めて少ないと考えます。
現状では流行地域は限定的であり、その地域に日本人が渡航することもまずないと思われますが、流行がさらに拡大し、周辺諸国で患者発生が確認されれば、可能性が出てくると思われます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症