今日の新着記事世界保健機関(WHO)当局者は7日の記者会見で、新型コロナウイルスがせきやくしゃみなどで飛沫(ひまつ)感染するだけでなく、結核やはしかなどと同様に微粒子で空気感染する恐れがあるとの指摘に関し、あらゆる感染経路の可能性を精査していると述べた。2020年7月8日配信共同通信社
お母さん
空気感染はどんな感染ですか?
同じ空気を吸ったヒトはすべて感染します。
前崎 先生
病原体がヒトに感染するには感染経路が違います。
3つの感染経路、空気感染、飛沫感染、接触感染があります。
病原体に応じてどの感染経路で感染するかを考えて、有効な感染対策が必要になります。
お母さん
空気感染する病原体にはどんなものがありますか?
麻しんと結核が空気感染する病原体です。
前崎 先生
空気感染する病原体はそれほど多くなく、麻しんと結核が有名です。
空気感染する病原体は同じ空気を吸っているヒトであれば、離れていても感染します。
そのため、多くのヒトが同じ空間にいれば、時に集団感染が起きやすくなります。
お母さん
空気感染を防ぐにはどのようにすればいいのですか?
N95マスクと呼ばれる特殊なマスクをつける必要があります。
前崎 先生
空気感染は個室に隔離しても、空調の管理ができていなければ感染を防ぐことはできません。
空調は陰圧空調と呼ばれ、常にお部屋の中から外に空気が排出される構造にする必要があります。
また、普通のマスクでは空気感染を防ぐことができず、N95マスクと呼ばれる特殊なマスクをつける必要があります。
ここがポイント空気感染する病原体は時に集団感染を起こすことがあり、それを防ぐにはN95マスクなど特殊なマスクをつける必要があります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症