今日の新着記事新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大するインドで、新型ウイルス感染中や回復後に、死に至る恐れもあるまれな真菌感染症「ムコール症」を患う人が増えている。同国の医師らが10日、AFPに明らかにした。2021年5月11日配信AFPBB News
サラリーマン
ムコールはどんな菌ですか?
真菌と呼ばれるカビの仲間です。
前崎 先生
ムコールは真菌と呼ばれるカビの仲間です。
土の中や植物の葉など自然に広く生息している菌です。
顕微鏡でみると細長い糸のように見える菌です。
サラリーマン
ムコールはどんな感染症を起こしますか?
主に肺に感染して肺炎を起こします。
前崎 先生
ムコールは肺に吸入されて感染し、肺炎を起こします。
その他にも副鼻腔炎や脳に感染して重症の病気を起こすこともあります。
健康な人に感染することは少なく、何らかの原因で抵抗力が落ちた免疫不全の患者さんに感染します。
サラリーマン
ムコールに有効なお薬はありますか?
抗真菌薬の一部が有効です。
前崎 先生
ムコールには真菌に有効な抗真菌薬の一部が有効です。
しかし、それらの薬を使っても効果がない場合も多くあります。
一度感染するとお薬の効き目が悪く、死亡する患者さんも多くいます。
ここがポイントインドでは新型コロナウイルスに合併する真菌感染症としてムコール症が増えています。有効な抗真菌薬も限られており、死亡する症例も多い注意すべき感染症です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症