RSVワクチン承認へ EU、ファイザー製

今日の新着記事欧州連合(EU)医薬品規制当局の欧州医薬品庁(EMA)は21日、米製薬大手ファイザーが開発したRSウイルス(RSV)ワクチンについて、生後6カ月までの乳児と60歳以上の高齢者を対象に認可するよう推奨したと発表した。これを受けEU欧州委員会が域内での販売を承認するかどうか最終判断する。2023年7月24日配信共同通信社

RSウイルスはどんなウイルスか

RSウイルスはパラミキソウイルスと呼ばれるRNAウイルスの1種です。

ヒト、チンパンジー、ウシなどから分離されるウイルスです。

遺伝子を調べてみるとA型とB型に分かれます。

一般的にはA型のウイルスのほうが重症化しやすいと言われています。

主な感染経路は感染した患者の飛沫が手指や物品に付着し、それに接触することによって感染します。
界面活性剤やエーテルなどの消毒液で速やかに不活化されます。

RSウイルスは赤ちゃんでは多い感染症です

RSウイルスは乳幼児の肺炎の約半数、より年長の子供の肺炎では10~30%の原因と考えられています。

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入院が必要となるような重症の肺炎はほとんど3歳以下で、多くは生後2~5ヶ月の赤ちゃんです。

2021年には1歳以下の子供の感染例がこれまでに比べて少なくなっていますが、一般的には70%以上の感染例は1歳以下の乳児が占めています。

流行は冬にピークがあり、初春には流行が収まります。

2020年にはRSウイルスの報告数が極端に少なくなっていますが、2021年には例年とほぼ同じ報告数になっています。

日本では11月~1月までに毎年流行がみられ、インフルエンザの流行のピークとは同じにはならないといわれています。

RSウイルスは子供に肺炎を起こします

RSウイルスに感染した子供は風邪のような軽い症状から重症の肺炎まで呼吸器感染を起こします。

感染すると2~8日の潜伏期間の後で熱や鼻水などの風邪ような症状がでます。

その後で、咳がでますが、咳が長く続いたり、だんだんひどくなってくると肺炎を起こしてきます。

さらにひどくなるとゼーゼーいったり、呼吸困難などの症状がでてきます。

多くは、入院して3~4日で症状が治まって、7~12日で自然に治ってきます。

しかし、未熟児や先天的な心臓や肺の病気がある赤ちゃんや、他の病気が原因で免疫力が低下した赤ちゃんでは重症となることがあります。

また、RSウイルスは高齢者の肺炎の原因となることもあり、ときどき老人ホームなどの高齢者施設で集団発生をすることがあります。

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RSウイルスの治療は

RSウイルスの感染で肺炎を起こした小児の治療は酸素投与や輸液などの対症療法を行います。

現時点でRSウイルスに有効な薬はありません。

また、遺伝子組み換え 技術を用いて作成された、RSウイルスの表面蛋白の一つであるF蛋白に対するモノクローナ ル抗体製剤であるパリビズマブ(Palivizumab)を用いて、重症化しやすい赤ちゃんでは流行期に投与することによって感染予防を行います。

今回、初めてRSウイルスに対するワクチンが開発され実用化されつつあります。

ここがポイントRSウイルスは未熟児や先天的に心臓や肺に病気をもつ赤ちゃんでは重症の肺炎を起こします。今回、今回、初めてRSウイルスに対するワクチンが開発され実用化されつつあります。

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