米東部コネティカット州スプレーグのゴルフ場で18日、北米に生息するヤマネコの一種ボブキャットが60代の男性を引っかき、検査でヤマネコが狂犬病に感染していたことが判明、男性は病院で手当てを受けた。2019年4月22日 (月)配信共同通信社
狂犬病は犬以外の生き物もウイルスをもっているので、犬じゃないから安心と思ってはいけません。
Q. 狂犬病はどんな感染症ですか?
A. 狂犬病ウイルスの感染症で死亡率の高い、恐ろしい病気です。
狂犬病は狂犬病ウイルスによる感染症です。犬のほかにも猫、サル、キツネ、コウモリなどの動物も感染する可能性があります。このような動物から咬まれたり、ひっかかれたりして人に感染します。
Q. 日本でも狂犬病は発生するのですか?
A. 日本ではそのような動物に咬まれても狂犬病になることはありません。
1950年に狂犬病予防法ができてから、日本での狂犬病は激減し、1954年を最後に日本での狂犬病の発生はありません。また、英国、ニュージーランドなどとともに日本は世界でも数少な狂犬病がない国とされています。だたし、狂犬病が発生している国で、犬に咬まれて感染してから、日本で発病する輸入例が数例報告されています。
Q. 狂犬病が発生している国で、もし犬に咬まれたらどうすればいいのですか?
A. ワクチンや免疫グロブリンを直ちに接種してください。
狂犬病は何もしなければほぼ100%が死亡するたいへん怖い病気です。もし、狂犬病の発生がある外国で犬に咬まれた場合は、まず傷口をしっかり洗ってから、直ちに現地の病院を受診して、ワクチンを接種してください。もし、感染の危険性が高いと考えられた場合には、抗狂犬病免疫グロブリンを創の周りに注射します。いづれも咬まれてから直ちに行うことが大切ですから、現地の医療機関にすぐに相談してください。
Q. 狂犬病の予防法はあるのですか?
A. ワクチンで確実に防ぐことができます。
狂犬病の予防にはワクチンが有効です。咬まれる前にワクチンを接種し、もし咬まれた場合はその直後と3日後の2回、ワクチンを接種することによって確実に発病を防ぐことができるとされています。ワクチンの副作用はほとんどありませんから、狂犬病の発生が多い国に行く際には、専門医と相談してワクチンを接種していくことをお勧めします。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症