2019年09月26日配信朝日新聞社
ロタウイルスは赤ちゃんの下痢や嘔吐などお腹の病気を起こします。
多くは6ケ月から2歳までの間に感染します。
特に小さい赤ちゃんでは、そのためで脱水を起こすことがあります。
日本はきちんと治療できる病院があるので、赤ちゃんがロタウイルスに感染して、死亡することはありませんが、開発途上国では、赤ちゃんの死亡原因で最も多いとされています。
ロタウイルスは冬に多い感染症です。
多くは10月頃から4月頃まで、患者さんが発生します。
感染はロタウイルスのいる便を触って、その手で食べ物を食べたとき、口から感染します。
ロタウイルスはほんの少しでもウイルスが口から入ると病気になってしまいます。
また、ロタウイルスに感染した赤ちゃんの便の中には、元気になっても長い間ウイルスが排泄されるため、注意が必要です。
ロタウイルスはワクチンで予防することができます。
現在、日本では2種類のロタウイルスのワクチンが使われています。
以前に使われていたワクチンで腸重積という副作用がありましたが、いま使われているワクチンは改良されて安全なものになりました。
どちらのワクチンも口から飲ませて使います。
生まれてから2ケ月後と4ケ月後にワクチンを飲むことによって、予防することができます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症