今日の新着記事 米製薬大手ファイザーは14日、新型コロナウイルス感染症に対する飲み薬として開発中の「パクスロビド」が、重症化リスクの高い患者の入院や死亡を9割減らす効果を臨床試験の最終結果で確認したと発表した。2021年12月15日配信 共同通信社
お母さん
バクスロビドはどんなお薬ですか?
新型コロナウイルスが増殖するときの酵素の働きを抑える薬です。
前崎 先生
新型コロナウイルスは人間の細胞中で遺伝子を複製して増えていきます。
バクスロビドはこの遺伝子の複製に必要な酵素の働きを阻害します。
そのことによってウイスルの複製を止めて、治療効果を示します。
お母さん
バクスロビドはどんな患者さんに使うのですか?
発症して時間が経っていなくて、重症となる前の軽症の患者さんに使います。
前崎 先生
バクスロビドは新型コロナウイルスに感染して、まだ時間があまりたっていない患者さんに使います。
軽症の患者さんが重症化して入院することを予防する効果が期待されます。
また、飲み薬ですから家にいても簡単に飲むことができます。
お母さん
バクスロビドはオミクロン株にも効果がありますか?
理論的には効果が期待できます。
前崎 先生
オミクロン株は新型コロナウイルスのスパイクタンパクの遺伝子が多く変異したウイルスです。
ワクチンなど抗体による感染防止効果が低くなる可能性はありますが、バクスロビドはウイルスの増殖を抑える薬です。
そのため、理論的にはオミクロン株にも効果が期待できます。
ここがポイント新型コロナウイルスの飲み薬であるバクスロビドはウイルスの増殖に必要な酵素の働きを阻害して効果を示します。軽症の患者さんが入院したり、重症化することを防ぐ効果が確認されました。オミクロン株にも効果があると考えられています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症