今日の新着記事「空間除菌」をうたっていた主力製品「クレベリン」をめぐって消費者庁から措置命令を受けた大幸薬品(大阪府吹田市)は16日、クレベリンを新しいパッケージに変更し、再販売を行うめどが立ったと発表した。柴田高社長は同日、「撤退は考えていない」と述べ、クレベリン事業を続ける意向を表明した。2022年08月16日配信 朝日新聞社
クレベリンの主成分は二酸化塩素分子
クレベリンの主成分は二酸化塩素分子を呼ばれています。
この二酸化塩素分子がウイスルや細菌などにくっ付くことによってその増殖を抑える働きをします。
大幸薬品のホームページ上では二酸化塩素分子がこのような作用で、ウイルスや細菌を殺菌すると説明されています。
このことによって殺菌効果や消毒効果がでると考えれています。
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空気中にある二酸化塩素分子が空間に浮遊するウイルスや細菌を殺菌すると言われています。
空間除菌の理論は正しいか
結論から言うと空間除菌は医学的に証明されていません。
実験で使うかなり高濃度の二酸化塩素分子であれば、ある程度の殺菌作用はあるかもしれません。
しかし、その濃度の二酸化塩素分子を人が吸い込めば何らかの副作用がでる可能性が高くなります。
また、空間に放出された二酸化塩素分子は厳密に密閉されて空間でなければ、直ちに拡散して薄まってしまいます。
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そのため、空間除菌は医学的には有効な消毒方法ではないと考えれています。
そのことを踏まえて、消費者庁からも行政処分がなられています。
大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令についてこの行政措置を踏まえて今回、大幸薬品側ではパッケージの表示内容を訂正しましたが、販売は継続するとのことです。
ここがポイント二酸化塩素分子を用いた空間除菌製剤のクレベリンはその消毒効果に疑問があり、医学的にはおすすめできません。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症